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ISHマイクロマウス

ISHマイクロマウス

SH2の種類(制御系)

・SHマイコンとは

SuperH RISC engine ファミリは、32bitのRISCタイプCPUコアを核とした製品の事で、SH1、SH2、SH/Tiny、SH2A、SH3、SH4、SH4Aと多くのシリーズがあります。昔は16bit固定命令長、5段パイプライン、62命令がシリーズの共通した特徴でしたが、最近のAが付いたタイプは進化して異なるようです。(詳しくは、知らないw)
 RISCですのでH8のようにアセンブラで組む訳にはいかず、C言語で開発することになると思います。(というか、アセンブラとC言語以外の組込用途の開発言語を知らない・・・JAVAとか最近スクリプトを調べ始めたレベルだし・・・)
ルネサステクノロジ(日立と三菱の合弁会社)の沢山ある製品群の中で、SHは元々日立系マイコンですので、どちらかといえばモトーラ系の流れに近い感じです。国産CPUなのでマニュアル等が日本語である点も、良い点として挙げられます。

 SH1は使った事無し、今後も多分使うことはないと思われ・・・
 SH2は以前はSH7044やSH7045(クロック上限28.7MHz)とか、DSPタイプのSH7065(クロック上限60MHz)といった第1世代を経て、クロック上限が50MHzとなった第2世代(3.3V系のSH7144やSH7145、5V系のSH7046やSH7047:この時代から周辺φPは40MHzの呪縛が・・・)で普及し、そして現在はクロック上限が80MHzの第3世代(システムクロックが、周辺φP限界値40MHzの2倍まで、やっと到達)&新シリーズSH2A(クロック200MHzやらDualやら何に組込んで使うのやら)の時代となっています。
 新シリーズのSH2Aを含みSH3、SH4、SH4Aは、プロセッサ系のタイプとなり小規模な組込み用途(具体的にはマイクロマウス)ではROMが外付けとなりMMUが邪魔といった理由で使えないと思われます。よってコントローラー系のタイプのうち第3世代までがマイクロマウス用途へ向いていると(個人的な独断ですが)判断し、説明は割愛させていただきます。あしからず。

・マウス用途へ、おすすめのSH2の品種について

 SH2も多くの種類があり、いろいろ有り過ぎて何がどう違うのか良く判らない状態ですが、個人的な趣味で電子工作する場合に入手可能なボード製品の中で、私の知る範囲で現状(2009年7月時点)入手可能な製品で説明しますので、あしからず・・・



SH2/7146シリーズ(コントローラ向け、最大動作クロック80MHz、設定1/2で周辺クロックが上限の40MHzで動作可能)
 このシリーズは白物家電向けに開発された為、モーター(タイマー)関係が充実しています。MTU2が6ch+MTU2Sが3chで計9chの16bitタイマーが使いたい放題です。MTU2のch3~5とMTU2Sのch3S~ch5Sは等価であり基本的に周辺上限のφ40M動作ですが、MTU2Sのみ(或るモードのみ)φPが80MHz設定可能となっています。(ってか、そのモードはマウスでは使わないので意味ないんだけど・・・)
欠点としてはAD部は古いタイプで周辺クロック上限が25MHzなので、通常使うφPが80MHz時は1/4設定で20MHzで使うことになります(変換に50クロックなので20MHz動作で変換時間2.5usです・・・φP50MHzの品種だと丁度上限の25MHz動作なので50クロックで2usで変換出来。その差0.5usです・・・更に、最新のSH7147等の新ADは40MHz動作可能なので50クロックでAD変換時間は1.25usで可能となり高速動作できる)
マウスに使用用途ではフラッシュ内蔵タイプを選ぶことになりますので、以下の2つに絞られます。(ちなみに最近のハードマニュアルには、フラッシュ書き換え回数の代表値(TYP)の1万回ってのが記載されなくなっていますが、中身は昔と変わらず「全ての条件(温度、電圧等)でメーカー保障する値が100回」であるのは変わり無く、1000回くらいの書込みでエラーは全然出ませんので御安心を・・・って保障されないけどw)
SH7146(QFP80pin,0.65mmピッチ)→シングルチップ専用
SH7149(QFP100pin,0.5mmピッチ)→外部拡張バス対応版(2つのCS線で各1MBバンクで計2MBまで)
どちらも、CPUに内蔵されたフラッシュ256KBとRAM8KBを1クロックでアクセス出来ます。(パイプラインが崩れない限りって前提での話しだけど・・)
チップサイズはどちらも14mm角で変わらないです。(足の数とピッチが異なるのでパターンは互換性を持たないですね)
表面実装のICですので市販モジュールを購入するか、自分で基板を設計して載せるという手段を講じないと、変換基板なんて使ってユニバーサル基板へ載せるような方法ではマウス用途では大きくなります。私は市販モジュールを使っています。

SH7146搭載ボード型式:AP-SH2F-8A[アルファプロジェクト]定価¥8190(税込)
基板サイズ:50mm×70mm
(4.0~5.5V動作、リセット回路搭載、10MHzクリスタル搭載済にて内部8逓倍でCPUコアは80MHz動作)

SH7149搭載ボード型式:AP-SH2F-9A[アルファプロジェクト]定価¥15750(税込)
基板サイズ:60mm×85mm
(4.0~5.5V動作、リセット回路搭載、10MHzクリスタル搭載済にて内部8逓倍でCPUコアは80MHz動作、モジュール上に外付4MbitS-RAMが搭載済みで、8bitバスにてフラッシュとアドレスがカブル事無くCS0空間へ512KBが接続可能)

私はデバッグに、デバッグモニタをフラッシュへ焼いて、S-RAM上へターゲットをシリアル通信で送り込むのでSH7149を中心に使っています。S-RAMが沢山I/Oピンのリソースを消費するため、3chもあるSCIのうち1つしか使えない上、ブートモードのポートとも違うのでSWでSCIラインを切り替えるというトホホな状態です。やっぱ6ピンだけデバッグ用に潰せばOKなJTAGデバッグがベストな選択です。どちらもJTAG対応のユーザーデバッグ インターフェース(H-UDI)搭載で、モジュールには14ピンJTAG用コネクタが搭載されています。(私はJTAGデバッガを持っていないので・・・残念!一番安いので5.8万~ルネサス純正のE10Aは高値の花で個人には無理~)



SH-Tiny(クロック50MHz、シングルチップモード限定版SH2)

最近になって各社のボードが出揃ってきました。秋月電子さんが安価に供給してくれるので、これからSH入門用の定番なるであろうSH2の末弟です。私は未購入なのでCPUとボードの情報のみ。

SH71253はSH7125の内蔵フラッシュ128KB版で、SH/Tinyでは最大のフラッシュを搭載したタイプで市販ボードはこればかりを採用しています。(SH71252はフラッシュが64KBですが市販ボードでは見かけない~)
4.0~5.5V動作で、最大動作クロックは12.5MHzクリスタル接続で4逓倍にて50MHzまで、内蔵RAMは8KBです。

SH71253搭載ボード型式:AKI-7125[秋月電子通商]コネクタなし定価¥1500(税込)基板サイズ:40mm×28mm
 28ピンMILタイプ2列コネクタ(ヘッダ、ソケット)×2が無いタイプ
SH71253搭載ボード型式:AKI-7125[秋月電子通商]コネクタ付き定価¥1800(税込)基板サイズ:40mm×28mm
 28ピンMILタイプ2列コネクタ(ヘッダ、ソケット)×2が取付済みタイプ
(秋月のSH7125モジュールには12.5MHzのクリスタルが実装済みで、内部4逓倍で最高速度の50MHzで動作します。開発環境をセットにしたものは無いようですね。ルネサスSHCか、KPITのGCCが無償で使えるからかな~)

SH71253搭載ボード型式:STK-7125[アルファプロジェクト]定価¥2940(税込)基板サイズ:36mm×34mm
 28ピンMILタイプ2列コネクタ(ヘッダ)×2が付属(ソケットはついていないみたい。未確認情報)
SH71253搭載ボード型式:STK-7125EVB-KIT[アルファプロジェクト]定価¥10290(税込)
 これはSTK-7125+エバボード(=マザー)+ソフト(サンプルソフト、専用フラッシュ書込みソフト、専用JTAGデバッガ)のセットです。マザー側には、28ピンMILタイプ2列コネクタ(ソケット)×2が取付済みで、STK-7125専用のUSB変換付きJTAGデバッグI/Fが搭載されていますので、パソコンから(やや低速ながら)JTAGデバッグが可能です。CPUモジュールには12.0MHzのクリスタルが実装済みで、内部4逓倍で最高速度の48MHzで動作します。専用JTAGは12.0MHzに合わせてあるので、クリスタルを変更時する場合は注意ですね。


その他、いよいよ周辺が充実してきたSH7137やSH7147等の最新チップは、これからの中心となる事は間違い無いと思われ目が離せないです(未購入、情報収集中♪)

2008.12.09 初版
2009.07.21 最終更新


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